木材の平面が出たら次の加工は、目的の大きさにカットすることになりますが、この「目的の位置で、まっすぐ切る」と言う作業はなかなか難しいです。熟練した職人ならばノコギリ一本でもきちんとカットできるらしいですが、私には無理です。
もう、最初っからノコギリとカンナは諦めてますので、良さそうな方法をいろいろと試行錯誤して来た結果、次の方法が今のところベストです。
まず最初に、目的の大きさよりも僅かに大きめにマルノコでカットします。最初からマルノコで目的の位置でカットできれば良いのですが、マルノコ定規を使っても満足の行くカットが出来た例がありません。いきなりマルノコでカットするためには、マルノコの調整を入念に行う必要があり、ブレードの直角とマルノコ定規との平行を完全に正確にセットしなければなりません。しかし、構造的にこれらを精度良く調整することは難しく、0.1度でも狂っていると必ずカットの精度が落ちます。非常にシビアです。で、そんなことに時間を費やすよりも、マルノコの精度はさっさと諦めて、ラフカットに専念した方が効率的です。
次に、最近作った、片側だけオフセットできるルーターフェンスを使って、一辺の直線を確保します。
このオフセットフェンスは最初の調整はちょっと面倒ですが、マルノコの調整よりもはるかに容易です。全く問題なくカンナ代わりに使えます。
次に、直線の出た辺を基準に目的の幅となるようにカットラインを引き、ルーターのストレートジグをカットラインに固定して、フラッシュビットで目的位置まで切削します。
ストレートジグは、まっすぐなMDFなどの板を両面テープで木材に貼り付けて使うことが一般的ですが、両面テープと木材は相性が悪く、表面が荒れている木材には効きませんし、滑らかな木材では効き過ぎて今度は剥がすのに一苦労します。また、MDFの表層が両面テープで剥がれてしまうことも多く、粘着材が張り付いてしまうと爪でこすって取らなければならないなど、面倒だらけです。
私は、システムバークランプと言う製品を改造した物をストレートジグとして使っています。
このクランプは、クランプの一方のツマミがバーの両側に突き出ていて邪魔になるので、切削面側だけ切ってしまいました。この写真で上に向いている側が切削面側で、なにも突起物がないのがわかると思います。また、アルミ製のバーとルータービットのベアリングが直接接触するのも気持ち良い物ではありませんし、刃が僅かにアルミと接触するため、バーの片面にUHMW製の0.8mm厚のテープを貼り付けてあります。
そして、このクランプはスライドする部分とレールの隙間がちょっと大きく、クランプを締め付けても僅かにガタが残ります。この隙間も同じテープで埋めてガタをなくしています。
以上で、木材の2辺を正確に「目的の位置でまっすぐ」にカットすることができます。手押しカンナやテーブルソーなどの大型の機械を使った方が容易で精度も高いと思いますが、この方法では、簡単な工具だけあれば誰でも正確なカットが可能です。精度はだいたい0.4mm以内には収まると思います。慣れると更に高精度にカットでき、0.2mm程度までは追い込めます。ただ、これぐらいの精度になると、カットよりも墨線を入れる事のほうが難しくなってきます。
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