The Musical Loudspeaker Project III

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前作でようやっと満足のいく音となったスピーカーシリーズですが、欲を言えば低音の質をもう少し何とかしたいところです。15cm x 2のユニットを考えると充分なレンジと量感が得られているのですが、今一歩明瞭感やリズム感がありません。バスレフらしい低音です。また、音場の広さや音像のシャープさも、最初の作品に比べると劣ります。音場感や音像のフォーカスは、ネットワークの設定でかなり変わるのですが、どうやっても以前のようにはなりませんでした。 もっとも、このスピーカーのコンセプトから、よく響くボックスとなっているので、 こうした点に問題が出るかもしれないと言うことは予想していましたが、やっぱり気になるところです。

おそらく、現在のユニット構成と私の技量ではこれ以上の成果は期待できそうもありません。そこで、今回は前作の不満点の解消を狙って少し構成を変えてみました。

  1. MTM構成を止めてオーソドックスなTM形式に。
  2. バッフル面を狭くしてバッフルステップや回折によるリップルの影響を少なくすると、2本のミッドバスユニットに必要な内容量を稼ぐことが難しくなり、奥行きが非常に長くなったり、低音の再生に無理がでます。 それに、クロスオーバー付近では3本のユニットでから放射される音が、複雑に相互干渉を起こしてしまいます。こうした問題点を避けるために、TM形式に変更しました。

  3. 密閉型として、アクティブサブウーファーで低域のレンジと量感を補う。
  4. ポートの調整が下手なのか、どうもバスレフの音は好きになれません。そこで、今回は密閉型に変更してみました。当然、密閉で15cmユニット1個では低音が寂しくなりそうだったので、100Hz以下をサブウーファで補う事にしました。最初は普通の3wayを考えましたが、低音領域のクロスオーバー回路の設計が難しくて断念。そして、後から調整が容易なアクティブ型に変更し、どうせならフィルターとパワーアンプを内蔵したプレートアンプとサブウーファユニットを使うことにしました。

  5. 響きのあるボックスも良いけど、やっぱり強度と重量は必要。
  6. 今回は響きの良いといわれる材料ではなく、ホワイトアッシュ無垢材を使用しました。ホワイトアッシュは比重が大きく、強度があり、無垢材特有の変形も少なく、粘りがある割に加工性もよい材料です。価格も比較的安価で良いのですが、導管が太く年輪もしっかりしているので表面の仕上げが難しいという欠点があります。最初は合板を考えていましたが、ツキ板を貼る手間とコストを考えたら、無垢材の方が安上がりで仕上がりも良いので決めました。

それに、前作で箱の振動をいろいろ調べたところ、板自体に厚みを持たせて強度を上げるよりも、板の厚みや幅が一定ではない形状とした方が振動が早く収束してノイズの発散という面では有利みたいだったので、ほぼ全体の板にR加工や斜めカットを行いたかったため、自由に切削できる無垢材としました。

ユニット構成は、前作を継承して、SEAS T25CF002 Milleniumツィータ + SEAS W15CH001ミッドバス + DAYTON RSS265HF/4サブウーファ + INOSIC RAS-300 Plus 日本仕様です。クロスオーバーは2000Hz -18db/oct、80Hz -24db/oct 120Hz -24db/octでミッドバスのローカットはありません。


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設置状態

前作よりもほんの僅かに設置面積が増えただけなのに、結構な存在感があります。もう少し小型の方が部屋に合ってると思います。



(2007/11-2008/12)